職種に縛られず、コミュニケーションの上流からさまざまな業務に携わる、齊藤友貴さん。少年時代の頃から今まで、そしてこれからもずっとそばにある、ひとつの作品について伺いました。(取材:文=戸谷早織)
-この本の好きなところは?
私が中学3年生の頃連載が開始したんですが、連載休止を繰り返すこと24年、まだ終わりを迎えない。記憶から消えてもおかしくないのに、読めばすぐあの頃に戻れるというか。少年時代のワクワクが思い起こされるんですよ。一生回収できないのではと思える伏線は、待てば待つほど気になる。自分たちの青春が終わらない感じがするんですよね。
-この本があなたの仕事や人生観に与えた影響は?
一切ありません(笑)。ただあるとしたら、 同年代で読んでいたことがわかるとネタが多すぎて話が盛り上がりますね。あと、“長く続く”エンターテインメントの走りとして最初の構想が崩れても、方向性を変えていくらでもやり直しているところですかね。狙っているわけではないと思いますが。
-他の少年漫画にはない、ハンター×ハンターの魅力は?
残酷さの向こう側に非日常な世界に、人間の欲が見え隠れしたり、頭脳戦や心理戦が多かったり。これは同じ時代の漫画にはない世界観です。また、ラフに描いた絵で連載したり、終わりが見えないことがストーリーとなり、SNSでファンが盛り上がる一因になっていることで、自然と現代に受け入れられるエンターテインメントになっているところですかね。
-あなたにとってこの一冊は?
一生終わってほしくない、少年時代のワクワクをいつでも思い起こさせてほしい本