いつも社員が働きやすいよう、弊社の管理部門で総務などを担当してくださる佐藤さん。以前、映画配給会社に勤めていたことがきっかけで知り、今でも心に残る作品を紹介していただきました。(取材・文=戸谷早織)
-この本を選んだ理由は?
世代や性別、属性を越えてだれが読んでも楽しんでもらえるんじゃないか。そう思って選びました。この本は、とある青年が過酷な修行のもと12歳で初めて空を飛び、そこから数々の苦難を乗り越えて成長していく物語なんですね。彼が70歳になるまでのストーリーが描かれているから、いくつの時に読んでも自分の人生を投影しながら読めるんです。あと実は、20年くらい前に読んでもこれだけ色褪せない本なのに、今絶版になっているということを知りまして。衝撃を受けて選びました。
-この本の好きなところは?
ダイナミックなのに繊細で温かなストーリーテラーと翻訳者の語りの妙が素晴らしいのはもちろんですが、一人の青年の人生を描いていく様が見事で。ラストまで全く読み手を飽きさせないんです。
-この本があなたの仕事や人生観に与えた影響は?
青年の人生に自分を重ねながら、人生そのもの、生き方を考えさせられるところですかね。起こる出来事をどう受け止められるか、何を目標に生きていくのか、理不尽なことにどう折り合いをつけるかとか。生きていれば、いろいろあるじゃないですか。世代や人によって悩みは違うけど、一つひとつの出来事をそこに照らし合わせられる。人生の姿勢を鍛えることや、今であればコロナ禍という社会で翻弄される自分を考えるきっかけにもなると思います。私も時にはジタバタと悩んだり、苦しんだりすることから逃げたくなることもある。けれど、徹底して自分と格闘して、自分の人生そのものを味わい尽くさなくちゃならん、と思っています。
– あなたにとってこの一冊は?
すみません、一言では言えません!(笑)ただ、ストーリーはひとつだけど、その時々の人の人生を照らす一冊かなと。それぞれの人のストーリーに、化学反応を起こす本だと思います。